cherryblossoms
春を迎えると
いつもの街路樹は 綺麗な桜並木
はらはらと散り出した花弁を見上げながら
初めて桜の名を名乗った頃を思い出す
それは まだ中学生だった頃
物心ついて 少しずつ自分のことが分かり始めた頃
自身の病状で告げられた事実に
自分の中で どうしても 未来に希望が持てなくなった
そんな時に目に入った 桜の花
どうせ希望も何も持てないのなら
この花弁のように 儚く綺麗に散っていきたい…
そんなことを思い なんとなくこのお花の名前を名乗り始めた
その頃の私には わかっていなかった
あれほど儚く綺麗に散っていく為には
耐え忍ぶ季節が必要だということ
ただただ 儚く散っていくことができるわけでは無いということ
あれから随分の時を経ても まだ
私は桜のように綺麗に散っていくことはできないだろう
いつかその日を迎える時
自ら歩んできた道を思いながら 穏やかに散っていければいい
散りゆく花弁を見上げながら 今の私はそんなことを思った
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