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鼓動

大好きな音の洪水
たくさんの温もりに包まれながら 音の中を漂う

そんな私を まるで現実に戻すかのように
突然身体の中心に 鋭く鈍い痛みが走る

最初は狭い範囲だった痛みが
徐々に身体の芯を痺れさせていく

時の経過とともに 心臓さえも 痺れ始めて

私の耳には うるさい程に 自分の鼓動音が響き渡る

大好きな景色を 捉え続けていたかった視界
痛みに耐えかね 思わず胸を抑えて蹲る

視界は 闇に包まれた

不気味な程に大きくなる心音を聴きながら

どうか今は止まらないで...

そう 祈り続けるしかなかった

今まで当たり前にできていたことが
徐々にできなくなっていく感覚

これはきっと 経験した者にしかわからない恐怖

まだ今は この鼓動を止めたくない 止まって欲しくない

あと もう少しだけだから...


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Time limit

静寂の中に
ふと響き渡る 静かな足音

自分が纏う空気でわかる

リミットが近づいていることが

わかってはいたけれど

いざ実感すると 少し怖い


迫りくる空気感に
決して気圧されることの無いように

本音を零せば その空気を切り裂きたい

...時間が無いよ

後悔だけは したくない

笑顔で 颯爽と 時を駆け抜けたい

ふと振り返った そのとき
過ごした時が 輝いて見えるように...


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cherryblossoms

春を迎えると
いつもの街路樹は 綺麗な桜並木

はらはらと散り出した花弁を見上げながら
初めて桜の名を名乗った頃を思い出す

それは まだ中学生だった頃

物心ついて 少しずつ自分のことが分かり始めた頃
自身の病状で告げられた事実に
自分の中で どうしても 未来に希望が持てなくなった

そんな時に目に入った 桜の花

どうせ希望も何も持てないのなら
この花弁のように 儚く綺麗に散っていきたい…

そんなことを思い なんとなくこのお花の名前を名乗り始めた

その頃の私には わかっていなかった

あれほど儚く綺麗に散っていく為には
耐え忍ぶ季節が必要だということ

ただただ 儚く散っていくことができるわけでは無いということ

あれから随分の時を経ても まだ
私は桜のように綺麗に散っていくことはできないだろう

いつかその日を迎える時
自ら歩んできた道を思いながら 穏やかに散っていければいい

散りゆく花弁を見上げながら 今の私はそんなことを思った


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